生産者物価の下げ幅9月は1.4%に拡大

ドイツ連邦統計局が21日に発表した9月の生産者物価指数(2021年=100)は127.5と
なり、前年同月を1.4%下回った。15カ月連続の低下となったものの、昨年10月に始
まった下げ幅の縮小傾向は7月と8月の0.8%を底に拡大へと転じている。9月は卸
売物価の下げ幅も膨らんでおり、消費者物価レベルのインフレ圧力は今後、低下が予
想される。
エネルギー価格が前年同月を6.6%下回り、これまでに引き続き全体を強く押し下げ
た。石油製品が14.4%低下したことが大きい。下げ幅は灯油で27.8%、自動車燃料で
16.1%に上った。天然ガスと電力もそれぞれ10.4%、9.5%下がった。エネルギーの
指数自体は基準の21年(100)を約52%上回る152.4と、極めて高い水準にとどまって
いる。
生産者物価はエネルギーを除いたベースでは1.2%上昇した。エネルギー以外の財は
すべて前年同月を上回った。
中間財は0.5%増となり、3カ月連続で上昇した。上げ幅は変成器(+5.4%)、天然
石・砂利・砂・粘土・陶土(+5.0%)、建設用石膏製品(+4.1%)などで大きかっ
た。
金属は1.6%低下した。低下率は銑鉄・鉄鋼・鉄合金で7.1%、棒鋼で5.2%に上っ
た。銅は3.8%上昇した。化学原料はマイナス1.2%、飼料はマイナス4.8%、ガラ
ス・ガラス製品はマイナス4.6%だった。
投資財は2.0%上昇した。構成比重の大きい機械の上げ幅は2.1%、自動車・自動車部
品は同1.5%となっている。
耐久消費財は0.9%だった。
非耐久消費財は1.5%。食料品は1.5%となり、4カ月連続で上昇した。バター(+52.
1%)、甘味菓子(+18.8%)が大きく上昇。穀物粉は13.7%、豚肉は9.8%低下し
た。
生産者物価は前月比ではマイナス0.5%となり、7カ月ぶりに低下した。指数は5月以
来の低い水準だ。部門別ではエネルギーが1.5%、中間財が0.2%低下。投資財と耐久
消費財は横ばい、非耐久消費財は0.2%の上昇だった。

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