デクセリアルズが独社に出資、自動車事業強化へ

デクセリアルズは13日、自動車のデザインハウスである独セムソテック(SemsoTec)
に出資したと発表した。これまでの協業関係を一段と強化。成長分野と位置付ける自
動車向け事業を加速させる。
セムソテックはHMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)やディスプレーソ
リューションの研究開発、製品開発を行う企業グループで、2009年に設立された。
ダッシュボードに搭載される車載ディスプレーのデザインと運転席全体のコンセプト
作りを強みとしている。
両社は20年に協業を開始。デクセリアルズの光学弾性樹脂(SVR)を中心に完成車
メーカーや車載ディスプレーメーカーに、材料・技術ソリューションの提案を行って
きた。また、23年にはセムソテックが立ち上げた「光学ソリューションセンター」内
に新しいトレンドである大型・曲面・異形化ディスプレー向け塗布・貼合装置を導
入。デクセリアルズの材料とこれらの装置を用いた試作・評価・検討を、複数の顧客
と共同で進めるなど、ドイツでのプレゼンスを高めてきた。
デクセリアルズは今回、セムソテック傘下の2社に計8百万ユーロ(約13億円)を出資
し、持分法適用会社とした。
今後は両社の緊密な関係を通じて、欧州自動車業界でのプレゼンス向上とともに、セ
ムソテックが欧州を中心に持つ幅広い顧客基盤を活用し、OEMへのデザイン・イン活
動、ティア1顧客への材料・ソリューション提案を共同で行う。
デクセリアルズは28年度までに自動車事業の売上高を現在の2倍超の300億円に拡大す
ることを目指している。海外市場での販売網拡大を重要課題の1つ位置付ける。

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