地熱で炭素中立の蒸気獲得、BASFが豪バルカンと戦略協業

化学大手の独BASFは20日、リチウム採掘・加工の有力企業である豪バルカン・エナ
ジーと地熱利用で戦略協業の基本合意を締結したと発表した。BASFは地熱とヒートポ
ンプを用いて炭素中立の蒸気を獲得し、本社所在地ルートヴィヒスハーフェンの統合
生産拠点で二酸化炭素(CO2)の排出削減を促進。バルカンは地下水からリチウムを
取り出し、水酸化リチウムに加工して電池や自動車メーカーに販売する。同統合生産
拠点周辺の自治体は地域熱の供給を受ける。
ルートヴィヒスハーフェンがあるライン地溝帯は地熱資源に恵まれているうえ、地下
水にはリチウムが高濃度で含まれている。両社の協業はこのメリットをフルに引き出
すものだ。実現すれば、ルートヴィヒスハーフェン統合生産拠点で地熱由来の蒸気を
年400万トン使用できるようになり、CO2排出量は約80万トン削減される。
両社は現在、同拠点内に将来リチウム抽出プラントを建設する可能性を検討してい
る。

上部へスクロール