中国投資を対象にドイツ政府が今年1月から11月1日までに引き受けた保険の総額は
1億560万ユーロとなり、前年通期の7,100万ユーロから大幅に拡大した。野党
「ザーラ・ヴァーゲンクネヒト連盟(BSW)」のクリスティアン・ライエ議員が提
出した質問状への連邦経済省の回答をもとにロイター通信が報じた。輸出信用保険
も前年通期の6億5,000万ユーロから6億9,620万ユーロに膨らんでいる。
ドイツ政府は対中国投資・輸出への保証引き受けを2022年から縮小している。習近
平党総書記(国家主席)の政権掌握以降、中国が強権化したことから、「リスク軽
減(デリスキング)」の方向に舵を転換。ドイツ企業に対し投資先を分散し、中国
依存を引き下げるよう促している。
その効果で対中投資の保険引受額は22年に7億4,590万ユーロとなり、前年の19億5,
200万ユーロから激減。23年にはさらに22年の10分の1以下に縮小した。24年は増加
に転じたものの、政府の保証引き受け抑制は続いている。