保険大手HUKが自動車修理チェーンを買収

自動車保険の独最大手HUKコーブルクは28日、同国で自動車修理チェーンを展開する
ピットストップ・デーエーを買収すると発表した。自動車保険市場が頭打ちとなるな
か、自動車関連サービスを拡充し、新たな収益源を確保する狙い。保険の対象となる
車両の修理コストを圧縮することも目指している。
ピットストップのオーナーであるシュテファン・クーラス社長から株式を来年1月2日
付で取得し、出資比率を現在の25.1%から84.9%に引き上げる。残り15.1%はこれま
でに引き続きブリヂストン傘下のブリヂストン・ヨーロッパ・エヌヴィー/エスエー
が保持する。
ピットストップは1970年の設立で、修理工場およそ200カ所を展開している。従業員
数は1,300人。
自動車保険では、保険会社が指定した修理工場を専ら利用する契約を結ぶと保険料が
引き下げられる。HUKはそうした契約の修理先としてこれまでピットストップを指定
してきた。ピットストップを子会社化することで、今後は修理コストを直接管理でき
るようする。これを通してコストを削減する狙いだ。自動車修理費用は材料費と人件
費の高騰を背景にこのところ急速に上昇していることから、ピットストップを子会社
化する意義は大きい。
ドイツ国内で登録される自動車の数は今後、停滞ないし減少すると予想されている。
このため保険会社は自動車関連サービスの拡大を模索。HUKはすでに中古車売買など
を仲介するオンラインサイト「アウトヴェルト」を展開している。ピットストップの
買収で修理事業にも参入する。

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