実質賃金が6四半期連続上昇、第3四半期は2.9%に

ドイツ連邦統計局が29日に発表した第3四半期の実質賃金は前年同期比2.9%増とな
り、6四半期連続で上昇した。インフレ率の低下と大幅なベースアップ、非課税で
社会保険料も賦課されないインフレ調整一時金(3,000ユーロが上限)の支給で、
これまでに引き続き水準が強く押し上げられた。
実質賃金は名目賃金の上昇率からインフレ率を引いた数値。第2四半期は名目賃金
の上げ幅が4.9%、インフレ率が1.9%だった。
実質賃金は2021年第4四半期から23年第1四半期まで6四半期連続で低下した。物価
の急騰に賃上げが追い付かなかったためだ。その後は大幅な賃上げと一時金の効果
で上昇へと転換。上げ幅は23年第2四半期が0.1%、第3四半期が0.6%、第4四半期
が1.8%、24年第1四半期が3.8%、第2四半期が3.1%だった。
フルタイムの被用者の名目賃金は5.0%上昇した。所得階層別でみると、上げ幅は
最下位の20%で最も大きく、7.3%に達した。インフレ調整一時金は通常、すべて
の社員に同額支給されるため、低所得層で賃金の上昇率が大きくなった。最上位の
20%は同4.3%だった。

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