中堅機械製造の独マンツは27日、電池セル製造装置事業を売却すると発表した。電池
セル市場の低迷が中期的に解消されない見通しを踏まえた措置。事業を継続すれば追
加投資が必要となることから放出することにした。来年半ばまでの売却手続き完了を
見込む。広報担当者は『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に、買収に関心を示す
企業がすでにあることを明らかにした。
マンツ2022年秋、独同業デュル、グロープとリチウムイオン電池製造装置分野で戦略
協業すると発表した。欧州電動車市場の急成長に連動して電池製造装置の需要が大幅
に伸びると見込まれていたことを踏まえたもの。3社はそれぞれの強みを持ち寄って
電池工場の全設備を一手に供給し、同分野で強いアジア勢に対抗していく考えを表明
していた。
マンツは今回、電池セル、定置型蓄電池、コンデンサー製造装置事業と、「欧州の共
通利益に適合する重要プロジェクト(IPCEI)」の枠組みで受給予定の補助金7,000万
ユーロの権利を売却する考えを明らかにした。今後は経営資源を産業オートメーショ
ンと電子部品・半導体製造装置分野に絞り込む方針だ。電池モジュール組み立て装置
事業については産業オートメーション事業の枠内で継続するとしている。