企業倒産が今年は24%増加

独信用調査機関クレジットリフォームは16日、ドイツの企業倒産件数が今年は前年比
24.3%増の2万2,400件となり、9年来の高水準に達する見通しを明らかにした。増加
は3年連続。パトリックルートヴィヒ・ハンチュ経済調査主任は、コロナ禍から高イ
ンフレに至る過去の様々な危機の影響が倒産という形で表われると指摘。危機打開に
向けた経済政策の足踏みや企業のイノベーション力の低下を踏まえると、来年も倒産
は増えるとの見方を示した。
経営規模が大きい企業で倒産が特に増える。従業員数250人超の企業では増加幅が44.
4%に達する見通しだ。
倒産の影響を受ける被用者数は計32万人で、前年を56.1%上回る。負債総額は79.5%
増の560億ユーロに拡大。21年に記録した過去最高(510億ユーロ)を更新する。
倒産の増加幅が最も大きい部門はサービスで、27.1%に上る。これに製造が23.9%、
建設が21.1%、流通が18.6%で続く。
今年最大の倒産(雇用規模別)はデパート大手ガレリア・カールシュタット・カウフ
ホーフで、計1万2,000人の被用者が影響を受けた。2位は旅行大手のFTIツーリスティ
ク(同8,400人)。SPA(製造小売業)のエスプリは1,300人で10位だった。
製造業で倒産の増加率が最も大きい業界は金属製造・加工で、218.2%に達する。こ
れに製紙が216.7%で続く。自動車・自動車部品(70.6%)、ゴム・樹脂製品
(70.0%)、製薬(42.9%)、衣料品(42.9%)、金属製品(37.7%)も上げ幅が大
きい。機械は2.1%と比較的小さい。データ処理装置/電子・光学製品(29.2%
減)、化学(23.8%減)、食品・飼料(7.1%減)は倒産が減少する。

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