種子大手の独バイエルは8日、フィンランドのエネルギー大手ネステと、冬菜種系バ
イオ燃料のバリューチェーンを米国に構築することで基本合意したと発表した。持続
可能な燃料の需要が航空機や船舶を中心に今後、増える見通しを踏まえたもの。バ
リューチェーン構築の一環として同社はハイブリッド冬菜種「TruFlex」を2027年に
米市場に投入する計画だ。今年中の最終合意を見込んでいる。
モビリティ分野では動力源の電化が進んでいるものの、航空機や船舶では燃料が必要
不可欠な状況が今後も長期的に続くとみられる。このためバイオマスベースの持続可
能な燃料の需要は拡大が見込まれている。
菜の花には吸収した二酸化炭素(CO2)を地中に固定するほか、土壌を豊かにする効
果がある。TruFlexは収穫量が多いことから、農家にとってもメリットが大きい。
両社はまず、肥沃な土壌を持つ米中部グレートプレーンズの南部で冬菜種のバリュー
チェーン構築を開始する。製品開発などの分野でも協業する意向だ。
ネステは石油精製、天然ガス採掘、石化製品生産のほか、バイオ燃料事業も展開して
いる。バイエルとの協業を通して持続可能な製品の幅を拡充していく。