車載燃料電池のセルセントリック、量産工場用地を確保

欧州商用車大手のダイムラー・トラックとボルボ・グループが折半出資する燃料電池
合弁会社セルセントリックは14日、西南ドイツのヴァイルハイムアン・デア・テック
に量産工場用の用地を確保したと発表した。燃料電池トラックの需要見通しを読みに
くいなど不確定要因が多いことを踏まえ、オプション契約を締結。将来の市場条件に
柔軟に対応できるようにした。現時点では2030年の量産開始を見込んでいる。
セルセントリックは21年に設立された。ダイムラー・トラックとボルボは当初、同合
弁製の燃料電池を20年代後半からそれぞれ量産する大型トラックに搭載する考えだっ
たが、水素補給網やグリーン水素供給網の整備、水素価格など製品投入の前提となる
市場環境面で不確定要因が多いため、計画が遅れている。
燃料電池トラックの開発は順調に進んでいる。ダイムラー・トラックでは23年にプロ
トタイプ「GenH2トラック」の公道走行試験を実施。1回の燃料充填で1,000キロ超の
走行を達成した。ボルボ・グループも同年、極地での公道走行試験を行った。

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