陸上風力発電の認可容量が過去最高に、政府の促進策が奏功

独風力エネルギー全国連盟(BWE)とドイツ機械工業連盟(VDMA)は15日、国内陸
上風力発電の2025年の認可容量が前年の7,574メガワット(MW)から約2倍の1万
4,056MWに急増し、16年に記録した過去最高(9,411MW)を大幅に更新したと発表し
た。環境政党・緑の党が参加する現政権が、再生可能エネルギー分野のプロジェク
トを優先度の高い公共の利益と位置付けるなど促進策を導入したことが大きい。補
助金の受給対象となる容量も過去最高の1万996MWに達した。
新設容量は前年比9.2%減の3,567メガワット(MW)となり、5年ぶりに落ち込ん
だ。新設容量のうちリパワリング(老朽化あるいは出力の小さい設備を大型設備に
交換する措置)は1,191MWを占めた。計706MWの発電容量が撤去されたことから、純
ベースの新設容量は2,545MWだった。12月末時点の累積容量は6万3,461MW(63ギガ
ワット=GW強)に拡大した。
政府は累積容量を30年までに115GWに引き上げる計画で、25年は12.8GW、26年以降
は年10GWのスピードで新設することを法律で定めている。BWEとVDMAは、同目標を
達成するためには、交通インフラの近代化やタワーやブレードなど大型資材の輸送
規制を国内で統一することなども必要だとして、2月の選挙で成立する次期政権に
風力発電プロジェクト実現の障害を速やかに取り除くよう要請した。
認可取得から運転開始までの期間は昨年、平均26.7カ月に上った。前年に比べ1カ
月短くなったものの、17年時点では11.1カ月にとどまっており、両団体は大幅短縮
が必要とみている。
風力発電タービンは大型化が続いており、24年の1基当たりの容量は前年を7.1%上
回る5.12MWに拡大した。15年に比べると88%以上、増えている。ローター直径は
15年の104メートルから146メートル、ハブの高さは同122メートルから143メートル
に拡大した。

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