BASFが顧客4社を提訴、エチレンの価格カルテルで14億ユーロ 請求

顧客企業が結んでいた違法なエチレン購入カルテルで被害を受けたとして、独化学大
手BASFがミュンヘン第1地方裁判所で損害賠償請求訴訟を起こしたことが、被告企業
クラリアント(スイス)の13日付適時開示で分かった。総額14億ユーロの支払いを求
めている。
カルテルを結んでいたのはクラリアント、オルビア(メキシコ)、セラニーズ
(米)、ウエストレイク(米)の4社。4社は2011年から17年にかけて、調達価格を可
能な限り引き下げるためエチレン価格交渉の戦略を調整し、月々の契約価格を不当に
引き下げていた。
参加企業に対しては欧州連合(EU)の欧州委員会が20年、総額2億6,000万ユーロの制
裁金支払いを命じた。各社の制裁額はクラリアントが1億5,600万ユーロ、セラニーズ
が8,200万ユーロ、オルビアが2,200万ユーロ。ウエストレイクは最初に通報し調査に
協力したことから制裁を全額免除された。
4社はEU競争法に違反したことをすでに認めている。ただクラリアントは、カルテル
は市場に影響をもたらしていなかったと主張し、BASFの損賠請求権を否認。裁判で争
う意向を示している。

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