アストラゼネカ、武田薬品の呼吸器系疾患事業など買収

英製薬大手アストラゼネカが買収攻勢を強めている。同社は12月16日、武田薬品工業の呼吸器系疾患治療薬事業を買収すると発表。17日には米・オランダ系同業のアセルタ・ファーマの買収で合意した。

武田薬品からは慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療薬の「ダクサス」、ぜんそく薬「アルベスコ」、アレルギー性鼻炎治療薬「オムナリス」などを総額5億7,500万ドルで取得する。開発中の新薬候補も対象に含まれる。2016年3月末までの買収手続き完了を見込む。

アセルタは血液がんの治療薬を手がける企業。アストラゼネカは同社の株式55%を40億ドルで取得する。まず25億ドルを支払い、残る15億ドルはアセルタが開発中の新薬が米当局から認可された時点、または18年末までに払う。また、残る株式を取得する権利が与えられ、全株式を握った場合の買収額は70億ドルに達する。

アストラゼネカは心血管、代謝性疾患の治療薬を重要部門に位置づけ、関連企業や事業の買収を進めている。15年2月には米後発医薬品メーカーのアクタビスが米国とカナダで展開する呼吸器系薬事業を買収した。武田薬品から取得する3製品の2014年度の売上高は約240億円に上り、同事業を一段と強化することになる。

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