EU統計局ユーロスタットが2日発表した2015年12月のユーロ圏の失業率(速報値・季節調整済み)は10.4%となり、前月の10.5%から0.1ポイント低下した。失業率の改善は2カ月連続で、11年9月以来の低水準まで持ち直した。(表参照)
EU28カ国ベースの失業率は前月と同水準の9%だった。国別ではスペインが20.8%と最高だが、前月から0.2ポイント低下した。ギリシャは最新のデータとなっている10月時点で24.5%と、スペインを上回るものの、前月から0.1ポイント縮小した。
ユーロ圏の失業率はギリシャに端を発した信用不安で揺れていた13年9月に過去最高の12.2%に上昇。その後は改善に向かい、12月は前年同月を1ポイント下回った。中国など新興国経済の失速など景気環境は厳しいものの、雇用が回復基調を維持していることが確認された。ただ、なおフランス、イタリアで10%を超えるなど高水準にあり、2007~08年の世界金融危機の直前の7.5%を大きく超えている。