スウェーデン中銀が再利下げ、政策金利マイナス0.5%に

スウェーデン中央銀行は11日、政策金利のレポ金利を0.15ポイント引き下げ、過去最低のマイナス0.5%にすると発表した。物価が上がりにくい状況が続いていることを受けたもので、昨年7月以来の利下げとなる。新金利は17日から適用する。

スウェーデン中銀は昨年2月、国内経済が堅調で通貨クローナの上昇圧力が強まり、インフレ率も低水準で推移してデフレ懸念が強まったことから、レポ金利を0%からマイナス0.1%に引き下げた。さらに7月、金利のマイナス幅を0.35%に拡大した。

スウェーデン経済は好調だが、インフレ率は目標とする2%を大きく割り込んでいる。国内では低金利で住宅購入が活発化し、住宅価格が上昇して不動産バブルの懸念が浮上しているが、中銀は物価対策を優先して追加利下げに踏み切った。

欧州では欧州中央銀行(ECB)やスイス、デンマークもマイナス金利を導入しており、通貨安競争の様相を呈しつつある。ECBが3月に追加金融緩和を決めるとの観測も広がっている。スウェーデン中銀は、ECBが追加金融を実施するとクローナが上昇し、インフレ目標の達成が難しくなることもあって、金利引き下げを決めたと目される。中銀は声明で、必要に応じて、さらなる利下げに踏み切る用意があることを明らかにした。

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