ベルギー当局がUBSを告発、資金洗浄・脱税ほう助で

ベルギーの検察当局は26日、スイスの金融大手UBSをマネーロンダリング(資金洗浄)や組織的な脱税の嫌疑で告発したことを明らかにした。詳細は不明だが、調査は「資金洗浄、ベルギー国内での違法な金融仲介業務、深刻かつ組織化された脱税」に関わるものだという。

検察当局が発表した電子メールの声明によると、UBSは「ベルギー子会社を経由せず、同国の顧客に直接アプローチし、脱税目的の契約を促した」疑いがあるという。一方、UBSは「スイス本社に対する調査が開始されたことを検察当局の記者発表で確認した」とコメントするにとどめ、嫌疑の内容などについて議論するのは「時期尚早」としている。

ベルギー当局は2014年、資金洗浄などの疑いでUBSのベルギー子会社のほか、同行トップと複数の顧客の自宅に立ち入り調査を実施した。地元メディアによると、UBSの従業員は10年ほど前から有力企業の最高経営責任者などの富裕層に接触し、多額の資金を無申告でスイスに移す計画を持ちかけていたとされる。また、仏捜査当局は14年9月、同国の顧客に対する脱税ほう助の疑惑に関連して、有罪と認定された場合に科される罰金の一部として、UBSに対し11億ユーロの保証金支払いを命じている。

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