カナダの流通大手ハドソンズ・ベイ・カンパニー(HBC)がフラッシュセールサイトの独市場投入を検討している。市場が急速に成長しているうえ、先ごろ買収した独百貨店カウフホーフの事業にもプラスに働くと考えているためだ。ジェラルド・ストーチ最高経営責任者(CEO)が経済紙『ハンデルスブラット』に明らかにした。
フラッシュセールは販売期間・販売量を限定したうえで特定の会員だけに割引販売する事業モデル。ドイツのネット通販市場に占めるシェアは1.6%と小さいものの、2011年以降、年率26%のハイスピードで成長し昨年は7億8,000万ユーロに達した。フラッシュセールサイトの利用者はネット通販での購入頻度が高いうえ、◇月の世帯収入(手取り)が2,500ユーロを超える高購買力層の割合が46%に達しドイツ平均の36%を上回る◇15~35歳の若年層が多い――ことから市場の将来性が高いとみられている。
HBCは傘下に独自のフラッシュセールサイト運営会社ギルトを持つ。ギルトは個々の消費者のニーズにピンポイントで対応するIT技術に秀でており、ストーチCEOは将来的にカウフホーフの事業に活用できるとの見方を示した。実店舗にギルトのショップインショップを開設しフラッシュセールを実施すれば、店舗の集客力を高めることもできるとみている。