独化学大手のエボニックは6日、米同業エアー・プロダクツの特殊添加剤事業を38億ドルで買収すると発表した。飼料事業への依存度を引き下げるとともに、製品の幅と事業地域を拡充し、安定的に利益を確保できる体制を構築するのが狙い。年内の買収手続き完了を見込む。
エボニックとエアー・プロダクツはコーティング剤・接着剤向け添加剤、ポリウレタンフォーム用添加剤、業務用洗剤向け特殊界面活性剤の3分野で特殊添加剤事業を展開している。ただ、両社の製品は補完性が高いことからシナジー効果を見込める。
事業地域の面でもエボニックが欧州、エアー・プロダクツの当該事業が北米、アジアにそれぞれ強みを持つことから、エボニックは今回の買収により、世界の事業網を拡充。事業のグローバル化を進める顧客企業に原料を一手に供給できる体制を整える。また、これまでに比べて欧州の景気動向に左右されにくくなる。
エボニックは同買収により、特殊添加剤事業の売上高を35億ユーロに拡大する。シナジー効果は年8,000万ドルを見込む。