印刷機械大手の独ハイデルベルガー・ドルックマシーネンが10日発表した2016年3月期決算の税引き後損益は2,800万ユーロの黒字となり、前期の赤字(7,200万ユーロ)から大幅に改善した。黒字計上は2期ぶり。ゲロルド・リンツバッハ社長は成長が見込める消耗品・サービス事業の強化戦略が奏功したと指摘。持続的に利益を稼げるようになったとして「将来を楽観している」と明言した。
売上高は25億1,200万ユーロで、7.6%増加した。為替差益がプラスに働いたものの、その効果を除いた実質ベースでも約4%増の24億2,600万ユーロと増収を確保。営業利益(EBITDA、特別要因を除く)は0.5%増の1億8,900万ユーロで、実質ベースの売上高営業利益率は前期の5.9%から7.8%に上昇した。
同社は14年3月通期決算で6期ぶりに税引き後利益を計上したものの、15年3月期に再び赤字に転落。コスト削減を強化するとともに、提携先のプリンティング・システムズ・グループ(PSG)を買収し、印刷機械向けの消耗品・サービス事業を強化した。低迷する印刷機械事業の穴を埋める狙いがある。