ABインベブのSABミラー買収、EUが承認

欧州委員会は24日、ビール世界最大手のアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ、本社ベルギー)が英同業SABミラーを買収する計画を条件付きで承認したと発表した。ABインベブはSABミラーの欧州事業の売却を求められる。

ABインベブは昨年11月、ビール世界2位のSABミラーを710億ポンド(当時のレートで約1,120億ユーロ)で買収することで合意した。しかし、これによって世界のビール市場で約3分の1のシェアを握る巨大ビール会社となることから、関係国・地域の競争当局から認可を取り付けることが大きな課題となっている。

ABインベブは同問題に対応するため、米合弁会社モルソン・クアーズの株式58%、英SABミラーの中国事業などを売却することを決定済み。欧州ではSABミラーの「ペローニ」(イタリア)、「グロルシュ」(オランダ)、「ミーンタイム」(英国)の3ブランドと、これらのブランドを製造販売する伊、オランダ、英国の事業会社をアサヒグループホールディングスに25億5,500万ユーロで売却することで合意したほか、SABミラーの東欧事業(チェコ、ポーランド、ハンガリー、ルーマニア、スロバキア)を売却する方針を打ち出している。

欧州委は審査の結果、これらの売却によって欧州市場での交渉上の問題はなくなると判断し、欧州での事業売却を実施することを条件に買収を承認した。同買収は豪州、南アフリカなどで承認済み。なお米国、中国当局による承認を待っているが、最大の難関とされるEUで認可されたことで実現に向けて大きく前進した。

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