独電機大手のシーメンスは17日、風力発電機事業をスペインの再生可能エネルギー発電設備メーカー、ガメサと合併することで合意したと発表した。新会社はデンマークのヴェスタスを抜いて風力発電機の世界最大手メーカーとなる見通しだ。合併手続きはガメサ株主や独禁当局の承認を経て、来年第1四半期(1~3月)に終了する見通し。
新会社の出資比率はシーメンスが59%、ガメサの株主が41%。スペインに設立し、株式をマドリード市場に上場させる。市場では時価総額が約100億ユーロに達すると予想されている。
シーメンスはガメサの株主に対して、1株につき現金3.75ユーロを支払う。これは合併観測が浮上した日の前日(1月28日)の終値を26%上回る水準という。新会社の売上高は93億ユーロ。受注残高は約200億ユーロを超える。
シーメンスは洋上風力発電機、ガメサは陸上風力発電機に強い。またシーメンスが欧州、北米を主力市場とするのに対して、ガメサは中南米やインドなど新興国と南欧で大きな基盤を持つ。このため両社は補完性が高く、新会社で年2億3,000万ユーロのシナジー効果(EBITベース)を見込む。洋上風力発電機事業の統括拠点はドイツ北部のハンブルクとデンマーク置き、陸上風力発電機事業は同スペインに設置する。