化学大手の独ヘンケル(デュッセルドルフ)は24日、洗剤製造の米サン・プロダクツを投資会社ヴェスター・キャピタル・パートナーズから完全買収することで合意したと発表した。主要市場の北米で事業を一段と拡大することが狙いで、同社は今回の買収により北米洗剤市場2位に浮上する。成約額は債務の引き受けを含めて36億ドル(約32億ユーロ)。取引の成立には独禁当局の承認が必要。
サン・プロダクツはコネチカット州ウィルトンに本社を置く企業で、「オール」「スヌッゲル」「サン」などのブランドを持つ。2015年の売上高は16億ドル(14億ユーロ)。従業員数は約2,000人で、米国に2工場と研究開発拠点1カ所を持つ。
ヘンケルは買収などを通して北米事業を強化しており、これまでにロックタイト、ダイアル、ナショナルスターチの接着剤事業、セクシー・ヘアなどを買収した。現地事業規模が相対的に小さく、価格競争で苦戦していることが背景にある。北米売上高は昨年40億ドル(36億ユーロ)に上った。