英保守党党首選はメイ内相がリード、本命出馬見送りで予想外の展開に

国民投票でEU離脱が決まった英国で、辞意を表明したキャメロン首相の後任を選ぶ与党・保守党の党首選が本格化している。離脱派のリーダー格だったジョンソン前ロンドン市長が最有力と目されていたが、土壇場で出馬を見送ったことで情勢が一変。現在は残留派から立候補したメイ内相が幅広い支持を集めてトップを走り、離脱派のゴーブ司法相らが追う展開になっている。

党首選にはメイ、ゴーブ両氏のほか、レッドソム・エネルギー閣外相、フォックス元国防相、クラブ雇用・年金相の5人が立候補した。BBCによると、2010年から内相を務めるメイ氏はグレイリング下院院内総務らの支持を取り付けているほか、国民の間で人気が高いジョンソン氏が国を二分する運動を主導した反発から、同氏を支持していた下院議員の多くがメイ氏支持に動き始めているという。

一方、ジョンソン氏に代わって離脱派から立候補したゴーブ氏は予想外の苦戦を強いられている。保守党内部にはゴーブ氏がジョンソン氏の側近でありながら、残留派の反発が根強いことなどを理由に同氏に出馬を断念させ、代わりに自らが立候補した経緯を問題視する向きがあるという。これに対し、離脱派のレッドソム氏はサッチャー元首相の路線継承を全面に押し出し、党内のEU懐疑派からの支持を伸ばしているもよう。このままレッドソム氏が支持を広げた場合、メイ氏との女性同士の対決になる可能性が出てきた。

なお、キャメロン首相とともに残留を訴えたオズボーン財務相は有力な次期首相候補とみられていたが、離脱が決まったことから出馬を固辞した。

党首選は5日から候補者を絞り込む手続きに入り、保守党の下院議員による投票で、最も得票の少ない議員を除外していく。計3回の投票で最終候補2人を選び、約15万人の全党員による投票で9月9日までに新党首が決定する。

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