独英取引所の合併、2本社体制に変更か

合併を計画するドイツ取引所とロンドン証券取引所は、合併後の本社所在地をロンドンに一本化するという計画を変更するもようだ。英国のEU離脱決定を受けて、EUの規制が届かなくなる英国に本社を置くことに対し、ドイツやEU内で強い懸念が出ており、計画を変更しない限り独・EU当局の承認を得られないとみられるためだ。各種のメディア報道によると、ドイツ取引所のケンゲーター社長は新会社の本社をロンドンとフランクフルトの2カ所に設置する意向を株主に示し、理解を求めているという。同社は5日のプレスリリースで「規制上の要件をすべて満たす」考えを示した。

ロンドン証券取引所は4日の臨時株主総会で合併計画を承認した。賛成は99.9%に達した。ドイツ取引所では株主総会が行われず、株主は合併受け入れの意志を12日までに表明することになっている。75%超が賛成すれば承認となる。

南ドイツ新聞によると、正式発表した合併計画を変更することは法律上、認められない。このため、新会社の本社をロンドンに一本化する計画を現時点で修正することはできない。ロンドンとフランクフルトの二本社体制を実現するためには(1)その旨を確約した協定を認可当局と結ぶ(2)当局の承認を得て合併する(3)新会社の最高意思決定機関で(2本社体制について)75%超の承認を得る――という手順を踏まなければならないという。このため当局は(1)の協定が新会社の最高意思決定機関で承認されることを前提に合併を承認することになる。

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