銀行大手の伊ウニクレディト(ローマ、ミラノ)が独子会社ヒポフェライン銀行(HVB)の新規株式公開(IPO)を検討しているもようだ。ロイター通信が12日報じたもので、ウニクレディトの幹部は同通信に「国の支援を受ける前にHVBを上場させなければならない」と明言した。
ウニクレディトは総額3,600億ユーロの巨額不良債権を抱えており、財務の健全化が緊急の課題となっている。このため同行はオンライン証券子会社フィネコの株式およそ10%を3億2,800万ユーロで売却。出資比率を55.4%に引き下げた。ポーランド子会社ペカオ銀行とファンド子会社パイオニアも放出する考えだ。
ウニクレディトは2005年にHVBを買収。07年にはスクイズアウトを実施して完全子会社化し、上場を廃止した。HVBは重要な収益源であるため、ウニクレディトは戦略出資と位置づけ手元に残す意向を示しているものの、IPOを実施すれば巨額の資金を入手できるため、IPOが視野に入っているもようだ。