独リテール銀行大手のポストバンクが振替口座料金を無料とするサービスを11月1日付で大幅に縮小する。事業を取り巻く環境の悪化を受けた措置で、ズザンネ・クロス取締役は『南ドイツ新聞』に「持続可能な事業モデルが必要になっている」と述べ理解を求めた。
同行はこれまで、口座管理手数料を無料とすることを売り文句にして顧客を獲得してきた。現在は毎月1,000ユーロ以上の入金があれば、無料サービスを受けることができる。11月からは無料サービスのハードルを同3,000ユーロへと引き上げ、これ以下の顧客からは月3.9ユーロの料金を徴収する(入金額が1,000ユーロ未満の顧客では同料金がこれまでの5.9ユーロから2ユーロ低下する)。
独銀2位のコメルツ銀行も月1,200ユーロ以上の入金がある顧客の振替口座を無料としている。同行の広報担当者はメディアの問い合わせに対し「無料口座サービスを変更する計画はない」と回答した。
銀行業界は現在、歴史的な低金利とマイナス金利にあえいでいる。預金を運用しようとしても安全で利回りが付く証券は少ないうえ、余剰資金を欧州中央銀行(ECB)に預け入れるとマイナス金利が付くためだ。こうした状況を受けて、一般顧客にマイナス金利を適用する金融機関も出始めている。