スペイン首相選出を下院が再度拒否、年末に総選挙の公算

スペイン下院(定数350)は2日、首相選出のための信任投票を実施し、暫定政権を続けるラホイ首相の正式選出を反対多数で否決した。信任投票は8月31日に続く2回目。10月末までに新首相が決まらなければ、憲法の規定により、6月に続く2度目のやり直し総選挙が12月に実施される。

スペインでは昨年12月の総選挙で中道右派の与党・国民党が第1党を維持したものの、過半数を大きく割り込んだ。最大野党・社会労働党などとの連立協議も不調に終わったため、今年6月に再選挙を実施。引き続き国民党が第1党を維持したが、議会の勢力図はほとんど変わらなかった。

与党を率いる暫定首相のラホイ氏は先月31日の信任投票で、首相選出に必要な絶対過半数(176票)の支持を得ることができず、2日に2回目の投票が行われた。ラホイ氏は政治空白が長引けば経済政策が停滞すると訴え、支持を呼びかけてきたが、賛成170、反対180で否決された。野党側で棄権票が多くなればラホイ氏選出の可能性もあったが、1回目と同じ投票結果となった。

各党は近く連立交渉を再開する見込みだが、政権発足は難しいとの見方が大勢を占めており、年末に1年間で3度目となる総選挙の実施が現実味を帯びてきた。

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