独電気電子工業会(ZVEI)が8日発表した独業界の7月の新規受注高は前年同月比6.1%減と大きく落ち込んだ。生産高と売上高も減少幅が大きく、ZVEIのチーフエコノミストは「独電機業界の景気は勢いが弱まった」との見方を示した。同国製造業の景気はこのところ低迷気味で、機械業界の7月の新規受注高も実質19%減少。化学・製薬業界の第2四半期(4~6月)の売上高は前年同期比で実質6.3%落ち込んだ。
電機業界の7月の新規受注高を地域別でみると、ユーロ圏外が9.8%減となり足を強く引っ張った。国内も6.0%減と振るわない。ユーロ圏(ドイツを除く)は0.1%増とわずかながら拡大した。
1~7月の累計の新規受注高も前年同期を1.9%下回った。ユーロ圏と国内はそれぞれ1.3%、0.1%増えたものの、ユーロ圏外が6.1%減と大幅に落ち込んだ。
7月の業界生産高は物価調整後の実質で前年同月を7.0%下回り、今年最大の下落幅となった。1~7月の累計は前年同期を実質0.8%上回った。
7月の業界売上高は前年同月比7.9%減の139億ユーロへと落ち込んだ。すべての地域で減少。ユーロ圏は10.4%減の25億ユーロ、国内は8.6%減の69億ユーロ、ユーロ圏外は5.4%減の45億ユーロだった。
1~7月の累計の売上高は1,009億ユーロで、前年同期を0.6%上回った。国内が1.5%増の491億ユーロに拡大。ユーロ圏(0.3%減の191億ユーロ)とユーロ圏外(0.2%減の327億ユーロ)は減少した。
電機業界の8月の景況感指数は大幅に落ち込んだ。英国の欧州連合(EU)離脱決定が響いた格好で、減少幅は現状判断と期待指数でともに大きいという。