欧州最大の独立系自動車整備チェーンである仏モビヴィア・グループは21日、経営不振の独同業ATUアウトタイレウンガーをヘッジファンドのセンターブリッジを中心とする投資家グループから買収することで合意したと発表した。欧州最大手の地位を一段と強化する考え。買収金額は非公開。独禁当局の承認のほか、ATU店舗の賃貸料引き下げを取引の成立条件としていることから、破談となる可能性を排除できない。
ATUはドイツで577店舗、オーストリアで25店舗、スイスで6店舗を展開しており、ドイツでは最大手。従業員数は約1万人で、年商はおよそ10億ユーロに上る。
モビヴィアは欧州、アフリカ、南米の計16カ国で事業を展開しており、店舗数は1,300カ所。従業員数と売上高はそれぞれ1万1,000人、17億6,000万ユーロで、ATUを買収すると各2万人、27億ユーロへと拡大する。
ATUが安定的に利益を確保するためには店舗の賃貸料を「市場の相場水準まで引き下げる」ことが必要だとみており、モビヴィアは店舗不動産の貸し手の大半が引き下げに応じることを条件に今回の買収契約を締結した。