フォルクスワーゲン―傘下のトラック2社が共同開発ルール締結―

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW、ヴォルフスブルク)は9月28日、傘下のトラックメーカーMANとスカニアが共同開発のルールで基本合意したと発表した。これまではブランドの独自性や主導権が失われるといった懸念がMANとスカニアの両サイドにあったため共同開発が大きく進展せず、十分な相乗効果を引き出せないでいた。VWは両社の共同開発体制を構築することでコストを削減し、新しい事業分野や市場の開拓、新技術の開発に資金を振り向ける考えだ。

MANとスカニアは今回、エンジンで生み出された動力をタイヤに伝達する一連の機構であるドライブトレインの開発でルールを取り決めた。両ブランドの特性を反映させるために開発の初期段階で部品の要件を共同決定する。

開発の各プロジェクトには両社の技術者が参加。主導権はプロジェクトに応じてどちらかが掌握する。エンジンプラットフォームでは排気量13リットルの分野でスカニア、同5~9リットルでMANがそれぞれ主導。排ガス処理とギアボックスでも大型をスカニア、中・小型をMANがリードする。また、車軸はMAN、エンジン制御はスカニア主導でそれぞれ行われる。主導権の分担はスカニアの製品が大型トラックに限られていることを踏まえて取り決めた。

これらの部品の製造については基本的に両社がそれぞれの工場で行う。ただ、大型トラックのギアボックスはスカニアがスウェーデンのセーデルテリエ工場で全量を生産してMANに供給。非駆動輪車軸はMANが独ザルツギター工場で全面的に生産しスカニアへと供給する。

両社は今回、従業員がそれぞれ相手側の国外工場で2~4年間、働けるようにすることも取り決めた。これにより相互理解を深め、一体感を作り出していく考えだ。

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