英たばこ大手ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)は17日、米同業大手レイノルズ・アメリカンを買収することで合意したと発表した。BATはすでにレイノルズの株式42.2%を保有しており、残り57.8%を494億ドルで追加取得する。レイノルズとの経営統合によってBATは米フィリップ・モリス・インターナショナルを抜き、上場企業として売上高が世界最大のたばこ会社に浮上する。両社は今年9月までの経営統合を目指しており、統合から3年後までに少なくとも年間4億ドルのコスト削減効果を見込んでいる。
先進国では喫煙人口が減少傾向にあるが、米国では電子たばこの普及などによって高い利益率を維持している。BATはレイノルズ買収を通じて米市場で基盤強化を図る。BATは昨年10月、レイノルズに対して470億ドルの買収案を提示していたが、最終的な買収額はこれに26%上乗せした水準となった。BATのニカンドロ・デュランテ最高経営責任者は声明で「レイノルズの買収は長期にわたる持続的な利益拡大をもたらし、株主に利益を還元できる」と強調した。
BATは「ケント」「ダンヒル」「ラッキーストライク」などの有力ブランドを展開している。一方、レイノルズは「キャメル」「ニューポート」などのブランドを保有する。レイノルズは2015年、成長分野の電子たばこやメンソールたばこに強みを持つ米ロリラードを買収し、米市場でシェアを拡大している。一方、BATは04年に米子会社ブラウン・ウィルアムソンをレイノルズ(当時の社名はR.J.レイノルズ)に売却し、いったん米市場から撤退していた。