仏サフランがゾディアック買収

仏航空機エンジンメーカーのサフランは19日、旅客機の座席など航空機内装品を手がける仏ゾディアック・エアロスペースを約85億ユーロで買収することで合意したと発表した。仏大手航空関連メーカーの統合により、航空関連機器で世界2位、航空宇宙関連では世界3位のサプライヤーが誕生する。

サフランはゾディアック1株につき29.47ユーロを支払う。これは18日の終値に26%上乗せした水準。統合後の新生サフランは従業員9万2,000人を擁し、年間売上高は210億ユーロを超える見通し。なお、新体制でもゾディアックのブランド名が維持される。

ゾディアックは創業130年の老舗で、欧州航空機大手エアバスなどに座席をはじめとする航空機器を供給している。2016年8月期の売上高は52億ユーロ、純利益は1億ユーロ。同社株価は過去2年間に20%以上下落しており、厳しい経営環境の中でサフランからの買収提案を受け入れた。

サフランのプチコラン最高経営責任者(CEO)は「ゾディアックの買収により、サフランは米ゼネラル・エレクトリック(GE)、米ユナイテッド・テクノロジーズ(UTC)に次ぐ世界3位の航空宇宙関連のサプライヤーに浮上する」と強調。新体制ではゾディアックが展開する内装品事業の経営効率化を進め、歴史的な利益水準の確保を目指すと述べた。

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