ギリシャの国有資産売却を進める政府機関の資産開発基金(HRADF)は18日、国営鉄道会社トレノセをイタリア国鉄(フェッロヴィーエ・デッロ・スタート=FS)に売却する契約に調印した。FSはトレノセの全株式を4,500万ユーロで取得し、完全子会社化する。
トレノセの売却は、債務危機に陥ったギリシャ政府が国際金融支援を受ける見返りとして約束した国営企業民営化の一部。HRADは2015年に売却する方針だったが、同社が赤字となっていることもあって難航していた。昨年に実施された入札に応札したのはFSだけだったため、売却額は低水準にとどまった。
ギリシャがチプラス政権下で実施した民営化は、これまでのところ2件。地方の14空港の運営権、国内最大の港湾であるピレウス港を運営する国営企業OLPをそれぞれドイツの空港運営会社フラポート、中国海運大手の中国遠洋運輸集団に売却した。