アリアンツ―4期連続の営業増益に―

欧州保険最大手の独アリアンツ(ミュンヘン)が17日発表した2016年12月期暫定決算の営業利益は108億3,300万ユーロとなり、前期比で0.9%増加した。営業増益は4期連続。生保・医療保険部門が好調だったことから、かろうじて利益が拡大した。売上高は2.2%減の1,224億ユーロ、純利益は4.0%増の68億8,300万ユーロだった。

生保・医療保険部門の営業利益は9.3%増えて41億4,800万ユーロとなった。低金利の厳しい環境のなかで、保険料の運用が好調だった。

損保部門の営業利益は4.2%減の53億7,000万ユーロに落ち込んだ。運用益が小さかったことが響いた。大型自然災害が少なかったことから、収益力の目安であるコンバインド・レシオ(保険料収入に占める保険金支払の割合を表す損害率と、保険料収入に占める経費の割合を表す事業費率の合計)は0.3ポイント減の94.3%へと改善した。

資産管理部門の営業利益は22億500万ユーロで、4.0%減少した。ただ、これまで大きな足かせとなってきた米子会社ピムコで第3四半期(7~9月)に顧客資金の純流失が13四半期(3年3カ月)ぶりにストップ。第3四半期と第4四半期は純増となった。

17年12月期は営業利益で103億~113億ユーロを見込む。

アリアンツは今回、同社史上初の自社株買いを実施することも明らかにした。14~16年の買収予算で使用しなかった部分を株主に還元する考え。規模は最大30億ユーロで、資本金の4.2%に相当する。

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