IT、インターネット企業の異業種参入が急速に加速しているもようだ。独情報通信業界連盟(Bitkom)が従業員数20人以上のドイツ企業503社を対象に実施したアンケート調査によると、「IT、ネット企業は御社の業界にすでに参入していますか」との質問で「はい」との回答は58%に達した。前年の調査では28%にとどまっており、この1年間で2倍以上に拡大したことになる。「自社の製品・サービスがIT・ネット企業に取って代わられた」も12%と少なくない。Bitkomのベルンハルト・ローレーダー専務理事は「デジタル化は全般的にみてドイツ経済の巨大なチャンスになるが、個々の企業にとっては大きな挑戦である」と指摘。各企業はデジタル分野の能力を構築しデジタル世界の技術革新のテンポについていかなければならないと明言した。
IT業界などからの異業種参入の影響を特に強く受けているのはサービス業界で、「異業種の競合がもたらした革新的なソリューションに驚かされた」との回答は39%に上った。製造業では同11%にとどまった。
「自社の商品がデジタル技術を利用した商品に駆逐された」との回答も製造業で6%にとどまったのに対し、サービス業では3倍の18%に上った。
ただ、製造業の分野でも3Dプリンターや自動運転技術など画期的な技術が急速に伸びていることから、ローレーダー専務理事は製造業でも近い将来、根本的な変動が起こると見方を示した。