経営不振の独航空大手エアベルリンは4月28日の決算発表で、戦略提携先を模索していることを明らかにした。経営再建の支援を受けたい考え。同社にこれまで巨額の資金を投じてきた筆頭株主のエティハド航空からさらなる資金支援を受けることはできないことから、新たなパートナーを獲得する考えだ。
エアベルリンは事業の拡大路線などが響いて経営が悪化。2011年に実施した第3者割当増資で中東系エティハド航空が株式29%を取得し、筆頭株主となった。
エアベルリンはエティハドの支援を受けて経営再建に取り組んできたものの、成果が上がっていない。エティハドは実質的な子会社である伊アリタリア航空が経営破たんの危機に直面していることもあり、エアベルリンに新たな資金支援を行うゆとりがない。
市場ではエアベルリンの新たな戦略提携先の候補として英同業イージージェット、ブリティッシュ・エアウェイズおよび中国の複合企業HNAグループが取りざたされている。英航空2社は同国の欧州連合(EU)離脱をにらんで、大陸欧州にハブ拠点を築きたい考えだ。
エアベルリンの2016年12月期の営業損益(EBIT)は6億6,710万ユーロの赤字となり、赤字幅は過去最大を更新した。リストラ費用3億3,480万ユーロの計上が響いた格好で、純損失も前期の4億4,660万ユーロから7億8,190万ユーロへと膨らんだ。売上高は7.1%減の37億9,000万ユーロへと落ち込んだ。