EUは22日に開いたユーロ圏財務相会合で、ギリシャへの金融支援再開について協議したが、ギリシャの債務軽減をめぐる国際通貨基金(IMF)との対立が解消せず、決定を見送った。15日に開く次回の会合での決着を目指し、非公式の協議を続ける方針だ。
7月に約70億ユーロの国債償還期限を迎え、EUから総額860億ユーロに上る第3次支援に基づく追加融資を必要としているギリシャは、EUが条件として求める追加の財政再建策を実施することで合意。議会が18日に関連法案を可決し、ギリシャ側が条件をほぼ満たしたことから、今回の財務相会合で支援再開が承認されるとみられていた。
最後の障害となっているのは、IMFが第1、2次金融支援に続く3次支援参加の条件として求めている債務軽減。ギリシャの債務問題を根本的に解決するためには、持続可能な財政運営が必要で、国内総生産(GDP)比180%に上る累積債務の再編が不可欠というのがIMFの主張だ。
同問題をめぐっては、ユーロ圏とIMFは昨年5月、元本は削減しないものの、債務返済期限の延長、利払い軽減を認めるという妥協案で合意。ギリシャの年間の利払い負担が中期的にGDP比15%、長期的に同20%を下回るようにすることを目指し、具体策を2018年までに決めることになった経緯がある。
今回の財務相会合では、債務返済期限をどの程度延長するかなど、詳細を即時に固める必要があるとするIMFと、これに慎重なドイツの溝が埋まらず、合意に至らなかった。ドイツがIMFの3次支援が決定しない限り、ギリシャへの追加融資を認めないという姿勢を崩さなかったため、支援再開も決まらなかった。