BMW―調達コスト削減へ、部品以外で最低10億ユーロ―

高級車大手の独BMW(ミュンヘン)は部品以外の調達コストを2019年までに最低10億ユーロ圧縮する考えだ。電気自動車(EV)や自動運転車の開発コストが膨らんでいることに対応する狙い。部品分野の調達コスト削減も検討していることから、サプライヤーに対する値下げ圧力の強化や調達先の絞り込みも行うと予想される。マルクス・デュースマン取締役(調達担当)が経済紙『ハンデルスブラット』に明らかにした。

部品以外の調達コストは現在、年200億ユーロに達する。デュースマン取締役は昨年10月の就任以降、コストの洗い直しを進めた結果、調達条件の不均一が無駄な支出につながっていることが明らかになったことから、同分野の調達費用を5%以上、切り詰めることにした。

自動車業界ではEVや自動運転車、コネクテッドカーの研究開発費が急速に拡大し、各社の利益を圧迫している。BMWは自動車部門の売上高営業利益率(EBITベース)で最低8%を維持する目標を掲げる一方で、開発コストに関しては今後3年間で計24億ユーロ上乗せすることを決めた。年間の開発費用は従来の52億ユーロから60億ユーロへと拡大する。

ディーゼル車の需要が走行制限論議を背景に急速に落ち込んでいることもコスト上の懸念材料となっている。ディーゼル車の代わりに需要が増えているガソリン車の販売を大幅に拡大すると、同社は走行1キロメートル当たりの二酸化炭素(CO2)排出量を20年以降、平均95グラム以下に抑制することを義務づける欧州連合(EU)のルールを遵守できなくなり、制裁金を科されることになるためだ。

デュースマン取締役は部品調達コストの削減目標額については明らかにしなかった。

BMWは調達以外の分野でもコストを圧縮する方針で、ニコラス・ペーター取締役(財務担当)は先ごろ、現在100を超えるモデルの種類を減らす考えを示した。需要が少ないモデルを廃止する。

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