ドイツ鉄道(DB)の物流子会社DBシェンカーは10日、同社を調整役とするトラック追従車群走行(プラトゥーニング)のプロジェクトに連邦交通インフラ省(BMVI)が約200万ユーロの補助金を交付することを明らかにした。公道を数カ月間に渡って走行し、実用性を確認する同プロジェクトについてアレクサンダー・ドブリント交通相は「技術が実験室から車道へと出ていく」と述べ、自動運転・コネクテッドカーの分野でドイツを世界の主導的な市場にするという目標の実現に意欲を示した。
プラトゥーニング走行では、先行車両に後続車両が追従する形で自動運転を行い、複数台の車両が一群となって走行する。車間距離を小さくすることによる道路容量の増加や空気抵抗の減少による燃費向上、渋滞緩和、交通事故の減少などの効果が期待されている。
DBシェンカーを調整役とするプロジェクトには、同社とトラック大手のMANおよびフレゼニウス単科大学が参加する。期間は今年6月から2018年1月までの20カ月。自動運転技術の試験区間である高速道路(アウトバーン)A9号線のミュンヘン~ニュルンベルク間を長期利用することで、実用性と安全性を検証していく。
DBシェンカーはMANが提供するテスト車両を用いて、ミュンヘンとニュルンベルクにある事業拠点間を走行。まずは来春から空荷で走行し走行条件を確かめるとともに運転手に研修を施す。その後は荷物を積んだうえで走行を行う。走行回数は1日に最大3回を予定している。
フレゼニウス単科大学はプラトゥーニングが運転手に与える神経生理学・心理社会的な影響を分析する。