化学大手の独BASF(ルートヴィヒスハーフェン)は13日、同社製殺虫剤「クロルフェナピル」を含有する蚊帳「インターセプターG2」が世界保健機関(WHO)の推奨を受けたと発表した。既存の殺虫剤に耐性を持つ蚊にも効果があることから、大きなマラリア予防効果が見込まれている。保健当局や人道支援団体向けに年末までに提供できるようにする計画だ。
WHOが推奨する蚊駆除用の殺虫剤は現在4種類。そのうち蚊帳用は1種類しかなく、新たな殺虫剤製品のニーズは大きい。
BASFは国際NGO「イノベーティブ・ベクター・コントロール・コンソーシアム(IVCC)」、ロンドン大学衛生熱帯医学大学院(LSHTM)と10年以上に渡って協業。クロルフェナピルを蚊帳に有効に含有させることに成功した。
WHOはクロルフェナピルを成分とする天井や壁用の同社製スプレー「シランド240SC」の評価作業も進めており、現在、その最終段階にある。
ベナン、ブルキナファソ、タンザニア、コートジボワールのアフリカ4カ国で実施された野外テストではインターセプターG2とシランド240SCが既存の殺虫剤に耐性を持つ蚊に対し有効であることが確認されたという。