シティグループ―フランクフルト拠点を拡大―

米金融大手シティは20日、従業員宛ての文書で、ドイツのフランクフルトにある拠点を拡大することを明らかにした。英国の欧州連合(EU)離脱をにらんだ措置。同市の既存拠点に事業免許を取得させるとしていることから、フランクフルトはEU事業の統括拠点となるもようだ。

EUには金融機関が域内に拠点を構えていれば全加盟国で事業を展開できる「パスポート」制度がある。銀行や証券会社の多くはこれを活用してロンドンの拠点からEU事業を展開してきたが、英国がEUから離脱するとそれができなくなる恐れが高いことから、ロンドンで行ってきた業務の部分移管に向けて準備を進めている。

シティはフランクフルトのインフラと現地従業員の質・経験を高く評価して同市拠点の拡充を決めた。英金融都市ロンドンから何人が移籍するかは明らかにしていないものの、同行はEU域内に約150人の雇用を創出しなければならないとしている。アムステルダム、ルクセンブルク、マドリード、パリなど他のEU拠点も強化する考えだ。

ロンドンの雇用規模は縮小するとみられるものの、シティは同市を今後も欧州・中東・アフリカ事業の中核拠点にとどめる意向を示した。

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