独コンチネンタル、タンポポを原料にしたタイヤの研究実験施設を着工

独自動車部品大手のコンチネンタルは13日、ドイツ北東部にあるメクレンブルク=フォアポンメルン州のアンクラムで、ロシアタンポポの根から抽出した天然ゴムを原料に使用してタイヤを生産するための研究実験施設「タラクサガム・ラボ・アンクラム」の鍬入れ式を行った。同施設は2018年秋に業務を開始する予定。従業員数は約20人を予定している。

コンチネンタルは、アンクラムの研究実験施設に約3,500万ユーロを投資する計画。また、メクレンブルク・フォアポンメルン州経済省は、施設の建設および研究活動を対象に約1,160万ユーロを支援する。

コンチネンタルは2011年に、天然ゴムに代わる植物原料の研究を開始した。ドイツのフラウンホーファー分子生物学・応用生態学研究所(IME)やユリウス・キューン研究所、植物育種を行うESKUSAなどと協力し、さまざまな研究プロジェクトを実施してきた。

タンポポを原料にした材料は、タンポポの学名「タラクサカム(Taraxacum)」とゴムを意味する英語「ガム(gum)」に由来して「タラクサガム(Taraxagum)」と名付けた。アンクラムの研究実験施設では、タンポポの栽培や加工方法などを研究する。コンチネンタルは、同研究で好結果を得られれば、タンポポの根から抽出した天然ゴムを量産タイヤの原料として投入する方針を示している。

このようなタンポポを原料とした天然ゴムの量産が可能になれば、天然ゴムを輸入に頼る必要がなくなり、輸送の手間や国外からの長距離輸送による環境負荷を大幅に軽減することが可能になる。

上部へスクロール