ドイツ貿易・投資振興機関のまとめによると、ハンガリーの2016年通期の乗用車新車登録は約9万6,550台となり、前年に比べ25%増加した。世界的な金融危機の影響のあった2009年(約4万3,500台)と比べると、2倍の規模に回復している。ただ、金融危機が発生する前の2007年(約17万1,660台)や2006年(約18万7,680台)と比べると、依然として大きな差がある。
なお、ハンガリーの新車市場では、法人顧客が全体の約3分の2を占めている。金融危機前は、個人が全体の70%以上を占めていたが、現在は、中古車を買う人が多いという。
ハンガリー自動車輸入業者協会(MGE)は2017年の新車登録台数について、乗用車は10万台を超えると見込んでいる。また、小型商用車は2万2,000台、トラックは5,500台、自動二輪は2,400台、バスは500台を予想している。
さらに、英経済誌『エコノミスト』の調査部門エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)は、同国の乗用車新車登録が2017年~2021年の間に平均で4.4%成長し、2021年には約12万台に拡大すると予想している。
ドイツ貿易・投資振興機関のまとめによると、2016年の乗用車生産は前年比4%減の47万2,000台だった。(2015年:49万1,720台)。生産設備や生産モデルの変更が減少の主因。生産能力が拡大したため、今後は生産台数が増える見通し。
ハンガリーには、アウディ(ジュール)、ダイムラー(ケチケメート)、スズキ(エステルゴム)の3社が乗用車の完成車工場を持つ。また、オペルはセントゴットハールドにエンジン工場を操業している。
ドイツ貿易・投資振興機関によると、ハンガリーでは現在、西部のザラエゲルセグで1億4,500万ユーロを投資して、自動運転車用の試験施設の建設が進んでいる。完成は2020年の計画だが、2018年半ばにも最初の走行試験が予定されている。