トルコが緊急利上げ、上限金利3ポイント引き上げ

トルコ中央銀行は23日、政策金利のうち事実上の上限金利と位置付ける後期流動性貸出金利を3ポイント引き上げ、16.5%に設定した。中銀は先月25日に同金利を0.75ポイント引き上げたばかり。エルドアン大統領が金融政策への介入を示唆したことから通貨リラ安が一段と進んだため、緊急利上げに踏み切った。主要政策金利の7日物レポ金利は8%、翌日物貸出金利は9.25%、翌日物借入金利は7.25%に据え置いた。

エルドアン大統領は15日、景気を優先する立場から、6月24日の大統領・議会選挙で当選した場合は金融政策への影響力を強める方針を打ち出した。インフレ圧力が高いにもかかわらず利上げに反対する同大統領の発言を受けてリラは一段と値を下げ、年初からの対ユーロの下落率は25%に達した。

中銀は今回の利上げについて、「物価の安定に向けた強力な金融引き締めだ」と説明。今後もインフレ見通しが大幅に改善されるまで金融引き締めを継続する考えを示した。同国のインフレ率は3月に10.2%まで低下したものの、4月は10.9%と再び上昇。過去12カ月の平均は11.1%で、中銀が目標とする5%を大きく上回っている。

市場からは「(利上げは)ようやくといった感だ。もっと早くに手を打っていれば、利上げ幅を少なくできたかもしれない」(ブルーベイ・アセットメント・マネジメントのティモシー・アシュ氏)、「リラ安の収束にはほど遠いが、中銀が良いスタートを切ったことは確か」(ノムラ・インターナショナルのイナン・デミル氏)といった声が上がっている。

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