大陽日酸は5日、米産業ガス大手プラクスエアの欧州事業の一部を買収すると発表した。プラクスエアはEUから独同業リンデと合併する計画の認可の条件として、欧州事業の一部放出を求められていることから、入札を実施して大陽日酸への売却を決めた。
大陽日酸がプラクスエアから取得するのはドイツ、スペイン、ポルトガル、イタリア、ノルウェー、デンマーク、スウェーデン、オランダ、ベルギーの産業ガス事業と英国、アイルランド、オランダ、フランスの炭酸ガス、ヘリウム関連事業。これら事業の昨年の売上高は約13億ユーロに上った。大陽日酸は新設する欧州統括子会社を通じて、50億ユーロで取得する。
取引の成立にはプラクスエアとリンデの合併を各国の独禁当局が承認するほか、大陽日酸による今回の買収計画を欧州委などの独禁当局が承認することが必要。大陽日酸は11月の取引完了を見込んでいる。