高級車大手の独BMW(ミュンヘン)が中国合弁BMWブリリアンス・オートモーティブ(BBA)の過半数資本を獲得する方向で交渉していることが分かった。中国国務院(中国政府)のホームページで明らかにされたもので、出資比率を最低75%に引き上げる考えという。外資系自動車メーカーはこれまで、中国合弁の出資比率を最大50%に制限されていた。
BBAはBMWと華晨中国汽車(ブリリアンス)、および瀋陽市が出資する合弁で、2003年に設立された。出資比率はBMWが50%、ブリリアンスが40.5%、瀋陽市が9.5%。
中国の李克強首相は国務院のホームページで、BMWは同国合弁の過半数資本を握る初の外資系自動車メーカーになると明言。出資比率75%超の方向で協議していることを明らかにした。
BMWの広報担当者はメディアの問い合わせに「提携先のブリリアンスと現在、行っている協議の詳細」は明らかにできないとしながらも、「外資系企業の出資制限廃止を含むさらなる解放と改革に向けた中国の意思表示」に歓迎の意を示した。中国政府は4月、同国で自動車を生産する外資に現地企業との合弁を義務づけるとともに、合弁への外資の出資比率を最大50%に制限する規制を22年に廃止すると発表した。
メディア報道によると、BMWはBBAの過半数資本獲得についてすでにブリリアンスと原則合意しており、現在は買い取り価格などの詳細を詰めている段階という。