旧型ディーゼル車の走行禁止ゾーン、シュツットガルトに来年1月設定へ

独バーデン・ヴュルテンベルク(BW)州政府は11日、州都シュツットガルトに来年1月1日付で環境ゾーンを設定し旧型ディーゼル車の走行を禁止する方針を決定した。ディーゼル車の走行禁止を認める連邦行政裁判所(最高裁)の判決を踏まえた措置で、欧州排ガス基準「ユーロ4」以下の車両は同ゾーン内を走行できなくなる。

欧州連合(EU)加盟国は窒素酸化物(NOx)の濃度を1立方メートル当たり40マイクログラム(年平均)以下に抑制することを2010年以降、義務づけられている。ドイツではベルリン、ミュンヘンなどの都市・地域で同規制を順守できない状況が続いており、昨年は計66カ所で違反が確認された。

連邦行政裁判所は2月、シュツットガルト市と独西部のデュッセルドルフ市の大気浄化策をめぐる係争で、他に手段がない場合はディーゼル車の走行禁止を認める判決を下した。5月に公開された判決文には、個々の道路を対象に欧州排ガス基準「ユーロ5」以下のディーゼル車の走行を即時禁止できることが明記。一定地域全体(ゾーン)の走行禁止についても車両の環境性能によって時期をずらしながら段階的に導入することが認められている。ユーロ5対応ディーゼル車のゾーン内走行禁止措置は早ければ来年9月から実施できる。

BW州政府はこれを踏まえて、ユーロ4以下のディーゼル車の環境ゾーン内走行を1月から禁止することにした。ユーロ5対応ディーゼル車については走行禁止を回避したい考えで、他の手段を通してNOx濃度の低減を図る考えだ。だが、それでも濃度規制を遵守できなければ、ユーロ5ディーゼル車の走行禁止が避けられなくなる。

ドイツではハンブルク市が市内の通り2カ所を対象に5月末から旧型ディーゼル車の走行を禁止している。同国で特定ゾーンの走行禁止方針が打ち出されたのは今回のシュツットガルトが初めて。

上部へスクロール