長城汽車、独H2モビリティに資本参加

中国自動車大手の長城汽車(GWM)は、ドイツ全域を網羅する水素供給スタンド網の整備を目指して欧州の大手企業6社が設立した合弁会社H2モビリティ・ドイッチェラントに少数株主として資本参加する。GWMとH2モビリティ・ドイッチェラント(以下、H2モビリティ)は10月24日、当該案件に関する覚書(MoU)を締結した。H2モビリティには、工業ガス大手のエア・リキードとリンデ、自動車大手のダイムラー、石油大手のOMV、シェル、トタルの欧州大手6社が出資しており、GWMは7社目、自動車メーカーとしてはダイムラーに次いで2社目の出資者となる。

H2モビリティは2019年末までにドイツの7つの大都市圏(ハンブルク、ベルリン、ライン・ルール、フランクフルト、ニュルンベルク、シュツットガルト、ミュンヘン)および幹線道路・高速道路沿いに100の水素ステーションを整備する計画。また、燃料電池車の普及に合わせてさらに300カ所を整備する計画。なお、ドイツでは9月に50番目の水素ステーションを開設している。

GWMは、H2モビリティへの参加により、中国における水素ステーション網の整備を進めるための知見を得る。また、H2モビリティは、GWMとの協力により、水素ステーションに関する国際的な標準化や、品質・信頼性の向上で協力できるとの見解を示している。

■ GWM、燃料電池車でドイツ市場進出も

GWMはすでに、燃料電池車のコンセプトカーを開発しているほか、中国の河北省保定市に試験センターを持つ。また、自動車用燃料電池システムを開発する上海燃料電池汽車動力系統有限公司(Shanghai Fuel Cell Vehicle Powertrain Co., Ltd.)を買収し、当該分野の競争力を強化している。GWMは将来、燃料電池車を中国で販売するとともに、国外市場への進出も視野に入れている。国外では、ドイツなど水素供給インフラの立ち上がりの早い国への進出を計画している。

上部へスクロール