リンデとプラクスエアとの合併、米当局が承認

米連邦取引委員会(FTC)は22日、産業ガス大手の独リンデと米プラクスエアが合併する計画を承認したと発表した。これで両社は合併に必要な当局の承認をすべて確保。世界最大の産業ガス会社が誕生する。

両社は2017年6月、対等合併で最終合意した。合併後に誕生する新会社は売上高が約270億ユーロに達し、仏エア・リキードを抜いて世界最大手となる。

合併計画に対する独禁当局の承認を得るために両社は今年7月時点で、◇プラクスエアの欧州事業を大陽日酸に部分売却する◇リンデの北米事業の大半と南米事業の一部を独同業メッサーと投資会社CVCキャピタル・パートナーズの企業連合に売却する――ことを取り決めていた。

しかし、FTCは同措置だけでは寡占懸念を払しょくできないとして、さらなる事業の放出を要求。米国で展開するバルク事業のほぼすべてと、一酸化炭素、水素、合成ガス、水蒸気メタン改質事業の一部を来年1月29日までに売却することを条件に合併を承認した。

合併後の新会社は世界市場(規模1,100億ユーロ)シェアが24%となり、仏エア・リキッド(同18%)を抜いてトップに躍り出る。合併から3年間で11億~12億ドルのコスト削減効果を見込んでいる。

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