イタリアの大手食品会社バリラは14日、同業のパスタ・ザラに対し、同社が保有するパスタの製造工場の買収案を提示したと発表した。金額面など詳細は不明。バリラは多額の負債を抱えるライバルから同国第2の規模を誇るパスタ工場を取得し、生産能力を増強する。
バリラが取得を計画しているのは、イタリア北東部トリエステにあるパスタ・ザラの工場。関係者によると、同工場の生産能力は年間およそ28万トンに上る。ロイター通信によると、パスタ・ザラは負債の急拡大を受けて債権者保護手続きに着手した。
バリラはパスタのほかパスタソース、パン、ビスケットなどを製造・販売しており、2017年の売上高は約35億ユーロ。パルマにある中核工場では年間35万トンのパスタを生産している。
バリラは声明で「高い生産能力を持ち、欧州やその他の市場に商品を供給するうえで立地にも恵まれているトリエステの工場を取得することで、当社は世界的なパスタの需要増に対応することができる」と強調した。一方、パスタ・ザラはバリラ以外に外資2社から工場の買収案を提示されたと説明。そのうえで、バリラの提案が同社と従業員、債権者にとって「最善の内容」との認識を示している。